広告と違う高額請求害虫駆除サービスをめぐる消費者トラブル

(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 森村純子

はじめに

 「『鍵を失くした』『トイレが詰まった』など、困っているときにネット広告を見て依頼し、広告とはかけ離れた高額な料金を請求された」といった「暮らしのレスキューサービス」のうち、数年前から、ネズミなどの害獣、ゴキブリ、ハチなどの害虫の駆除サービスに関する相談が激増しています。国民生活センターによると、令和5年度は前年度の1.5倍、昨年度もさらに増加しているようです。特に一人暮らしの若年者が、困惑、不安、経験不足に付け込まれている事例が多くみられます。

相談事例

〈事例1〉
 昨夜、部屋に蛾が入ってきた。スマホでネット検索し、「料金6千円」と広告があった駆除業者に、問合わせフォームで依頼した。30分後に業者が到着した際、既に捕まえていた蛾の処分を依頼した。しかし業者は、「他に虫がいるかもしれない」と言って調べ始め、「ゴキブリが洗面所の下に1匹、台所に3匹いた」からと、スプレーで薬剤を散布した。さらに、虫の進入路を塞ぐ工事を勧められ、高額なので断ると、「20万円の代金を5万円にする」と言われた。隙間にコーキング材を入れるだけの・・・

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