芸術文化観光専門職大学 非常勤講師 圓山茂夫
特定商取引法の2008年改正の趣旨 ─「規制のすき間をなくす」
2008年、特定商取引法が大きく改正された。その一つは、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売の規制が適用される商品・役務の範囲が、それ以前の「政令指定制」から、「原則適用方式(政令除外制)」に転換されて拡大したことである。「規制のすき間をなくす」ことが目的だった。
改正法を活かすため、規制のすき間に落ちている取引について、筆者は「クレジットカードの翌月一括払い決済(マンスリークリア)契約への特定商取引法の適用について」を寄稿した(本誌82号150頁)。
本稿は、同様に規制のすき間に落ちている後払い決済の契約について、通信販売の定期購入トラブルを念頭に、特定商取引法が適用されると考えられることを報告したい。
後払い決済契約は割賦販売法の規制の対象外
後払い決済契約は、割賦販売法の規制を免れている。紙幅の関係で省略するが、本誌前号(144号)155頁の池本誠司「後払い決済に関するトラブルと対応策」を参照願いたい。
後払い決済契約には特定商取引法が適用される
定期購入業者は通信手段で契約の申込みを受けて・・・
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