ジャーナリスト 三宅勝久
日本国憲法と先の「戦争」は密接な関係があるが、その「戦争」は、いつはじまり、いつ終わったのか。私は、1931年9月18日にはじまり1945年9月2日に終わったと理解している。
9月18日という日付を私が意識するようになったのは、四半世紀前、高松市議会議員の滝恒夫さん(故人)に出会ったのがきっかけである。高松市が刊行した『菊池寛全集』(文藝春秋社)に「西住戦車長伝」や「満鉄外史」など侵略戦争を賛美する作品が解説なしで収録されていることに疑問を持った滝さんは、出版費用の返還を求める住民訴訟を起こす。私が取材をしたのは1999年ごろで、1、2審で敗訴し、最高裁に上告中だった。
軍国少年だった滝さんは、菊池作品の影響で特攻隊員を志す。仲間が続々と自殺作戦に出撃したが、待機中に敗戦となり一命をとりとめた。焼け野原の故郷にもどり、東京裁判の傍聴などを通じて、1931年9月18日の柳条湖事件が関東軍の自作自演だったと知る。一審高松地裁の尋問(1998年6月23日、馬渕勉裁判長)で心境をかたっている。
「……もうどんでん返しいうのか、天地がゆらいだいうんか、驚天動地、もうどんな言葉で・・・
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