消費者契約法

  著者:後藤巻則

  発行:有斐閣

  価格:5,500円(税込)

 本書は、後藤巻則早稲田大学名誉教授の執筆に係る消費者契約法の体系的概説書である。消費者契約法の解説は、消費者法の教科書の一部で扱われることが多く、単独で消費者契約法を扱うものでも注釈の形態をとるものがほとんどであった。消費者契約法を単独で体系的に解説する書籍は、おそらく、消費者契約法施行直後の2001年に発行された落合誠一教授のものしかなかったと思われる。24年ぶりの研究者の執筆にかかる概説書だと思い、多くの改正を経ていたこともあって、発行前からどのようなものかと興味を持っていた。

 実際に読んでみた感想は、“興奮を覚えるほどよかった”である。少々型破りな感想を述べてしまったが、本書は、法律の仕組み・条文や現時点で問題になっている論点や判例といった現行消費者契約法の「今」の解説に加えて、この法律の制定や改正の背景、民法や消費者関連法との関係、さらには外国法、そして、現代の社会状況や立法に向けた現在の議論なども紹介し、解説する。いわば、「縦」(これまでの制定・改正の議論と今後に向けた議論)の流れと「横」(現在の社会状況、民法や他の消費者関連・・・

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