弁護士(神奈川) 茆原洋子
1 かつて、平成9年から18年頃をピークとして、銀行の貸し渋りに苦しむ中小事業者に対する融資をして、全国的にはびこった商工ローン(日栄・商工ファンド・イッコー・シティズ等)は、主債務者代表者保証人のほかに、第三者個人連帯保証人を要求していた。当時、第三者個人連帯保証人の被害は、自己破産全体の4分1に及んでいた。
2 2005年(平成17年)7月29日には、2006年貸金業規制法改正に向けて、金融庁がこの年継続して開催した貸金業懇談会の中に、借主と保証人の声を聴くコーナーが設けられた。ここでは、二人の当事者が、借りてもいない事業に関係ない無償の保証債務によって、突然多額の請求を受けることによる人命の危機と、大病の原因となるストレスと、家族と人生の破壊に至る様子をありありと証言した。そして、被害の全体像について筆者が書面を提出して補足説明をした。当日、中小企業庁の担当者が出席していることを筆者は確認した。
3 翌年2006年3月31日、中小企業庁金融課は、「信用保証協会における第三者保証人徴求の原則禁止について」の表題のもと、信用保証の制度目的に沿って、平成18年度に入って・・・
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