フリーライター 白井康彦
2025年6月27日、私たちが取り組んできた「いのちのとりで裁判」は最高裁で勝訴判決を獲得しました。大阪と愛知の訴訟でした。原告側が勝ちにくいのが行政訴訟なのに、地裁・高裁で大幅に勝ち越し、最高裁の第1号判決でも勝ったのです。私はこの裁判に猛烈にエネルギーを費やしてきました。原告側が「力の弱い人間集団」であることを痛感してきました。それでも、原告・弁護団・支援者らが力を合わせて正義を徹底的に追求。憲法25条の生存権を踏みにじった国家権力を打ち負かすことができました。「革命的な雰囲気がある歴史的な勝訴」だったと思います。
ところが、世の中は複雑。そう簡単にはハッピーエンドにさせてもらえません。最高裁判決は最重要な部分で踏み込みを欠いた「物足らない内容」だったのです。「厚労省が統計不正を実行した」という重苦しい現実をぼかした雰囲気です。判決の後処理にも影響しているので、具合が悪いです。
2013年生活扶助基準改定行政処分の取り消しを求めた裁判。29地裁で31の原告団・個人が闘ってきました。原告側から見ると、地裁の闘いは20勝11敗。最後に8連勝して終わりました。高裁判決・・・
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