消費者庁参事官 前・昭和女子大学専門職大学院教授 加納克利

「ダークパターン」とは、消費者を特定の意思決定に誘導するウェブサイトの表示やデザインのことをいうとされる。これに関し、消費者庁新未来創造戦略本部では、取引の実態を把握することを目的とした調査が行われた。その結果、「事前選択」(事業者の望む選択肢がデフォルトで事前選択されているもの)、「偽りの階層表示」(事業者の望む選択肢等が目立つようになっているもの)等の個別の分類に該当するもののほか、いくつかの分類が組み合わされているものが見られた。また、我が国特有とも思われるものとして、「未成年者の法定代理人同意確認」(未成年者が契約の締結に関して法定代理人の同意を得ている旨の確認チェックボックス等があるもの)、「追跡メール」(注文フォームへの入力開始後に注文を止めた場合にリマインドメールが送られるもの)等が見られた。
こうした事例の中には、景品表示法や特定商取引法のほか、個人情報保護法、独占禁止法など、既存の法制度による対応が可能と考えられるものもあるが、対応が難しいと考えられるものもある。これに関し、仮に何らかの法規制の導入を検討する場合・・・
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