今日の事案に対する先物全国研の取組み

    

先物取引被害全国研究会 代表幹事(第21代) 弁護士 平田元秀

はじめに

 先物取引被害全国研究会は、1982年3月に第1回が開催された。私は、2023年6月に、当研究会の21代目の代表幹事に就任し、安田孝弘事務局長とともに、’23年秋の仙台、’24年春の岡山、’24年秋の長野と、3大会を担当してきた。今号が発刊される頃には、’25年春の第92回京都大会を終え、研究会のバトンは次期代表幹事である荒井哲朗弁護士(東京)に引継がれる。

今日の事案に対する先物全国研の取り組み

 さて、当研究会では、今日の事案に対する全国研の取り組みの重要な柱として、各地研究会が伝統的・専門的・組織的に取り組んできている先物・デリバティブ取引被害については、「先物総点検」という観点から現代的課題を掘り下げるとともに、より広く消費者弁護士として担う悪質投資被害の分野については、➀「ポンジ・スキームの被害回復」、②「デジタル消費者の投資被害」、③「その他の投資被害」の3つのテーマ・課題を掲げ、研究・報告を深めてきた。

 以下、過去1年半の当研究会の取組みの概略を、文献等とともに、紹介する。

1 先物総点検(新しい特徴を踏まえた主張立・・・

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