東京経済大学 上杉めぐみ
１．はじめに
イギリスで2025年1月から施行されているデジタル市場・競争・消費者法（Digital Markets and Competition & Consumers Act 2024、以下「DMCCA」と表記する）は、デジタル市場における競争を促進するため、競争市場庁(Competition and Markets Authority、以下「CMA」と表記する)に規制権限を付与した[1]。それとともに、イギリスでのオンライン取引量の増加に比例して[2]、オンライン取引に関連する消費者問題が増加していることから、DMCCAに新たに消費者保護規制が導入された。本稿では、新たに導入された消費者保護規制について紹介する。なお、消費者法部分は、2025年4月より、サブスクリプション規定は、2026年4月より施行される予定である。
２．DMCCA導入による影響
（１）イギリス独自の消費者法
DMCCAは、1988年競争法および2002年企業法を改正したのであるが、2008年に制定された不公正取引からの消費者保護規則（Consumer Protection from Unfair Trading ・・・
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