立憲民主党政務調査会 相坂英樹
現在日本では、第7次エネルギー基本計画が最終段階を迎えている(執筆時点)。原子力発電の復権や温室効果ガス削減目標の後退など、東日本大震災以降の日本のエネルギー政策及び気候変動対策が大きな転換点を迎えているが、その内容について考察したい。
日本のエネルギー政策について(総論)
日本のエネルギー政策の最も大きな問題点は、電力中心のエネルギー政策になってしまっているというところである。エネルギー基本計画の議論では、発電構成に議論が集中しているが、実際の日本のエネルギー利用は、2022年度の最終エネルギー消費における電力の占める割合は27%に過ぎない(73%は電力以外のエネルギー消費)である。エネルギー消費の4分の1程度に過ぎない電力構成に議論の大半を費やすのはエネルギー政策の全体を歪めるものとなってしまう。確かに、今後は省エネルギー面からも電化が進むと予想されるが、たとえ電化が進んでも2040年でも最終エネルギー消費に占める電力の割合は40%以下(半分以上は電力以外)である。
電力構成の議論と、それ以外のエネルギー利用の話が分離されているため、電力で余った熱を利用する・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。