釜山大学主催・韓日国際学術大会「日本民法・消費者法の最新動向」第4報告
動物保護と消費者法・民法

日本女子大学名誉教授 細川幸一

 『釜山大学法学研究所招聘・韓日国際学術大会─日本民法・消費者法の最新動向─』が2025年2月21日に韓国・釜山大学法科大学院学峯ホールで開催された。主催は釜山大学法学研究所で、高麗大学民事法研究センター、民事法学会東アジア比較民法研究会、海洋大学世界海洋発展研究所、釜山地方弁護士会日本法実務研究会が共催した。釜山大学法学研究所所長を務める徐熙錫(ソ・ヒソク)同大教授が企画したもので、一橋大学松本恒雄名誉教授、愛知学院大学神田桂教授、関西大学寺川永教授、上智大学羽生香織教授、細川が報告を行った。そこでの筆者の報告を一部割愛して紹介する。


1 問題の所在

 近年、SDGsやエシカル消費1という言葉がよく聞かれるようになってきた。消費者政策の分野でも消費者の権利に加え、消費者の責任が議論されている。消費者法とは消費者の権利擁護に資する法領域あるいは関連法ということができるが、近年、消費者の責任が重要視されるなかで、そのための消費者教育法制や、消費者がその責任を果たすための消費者市場環境の健全化に資する関連法もその概念に含まれるようになってきているといえる。

 そうした中で・・・

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