ジャーナリスト・作家 鈴木エイト
統一教会サイドが私へ起こした3件のSLAPP訴訟のうち、1件目の名誉棄損訴訟の判決言い渡しが1月31日にあった。東京地裁は原告の請求のほとんどを棄却したが一部を認容、1100万円の請求額の1%である11万円の支払いを命じた。
原告側は五つの訴因を挙げ、すべてを総合して私が一切発信していない「嘘つきのペテン師」なる言葉を拵えて名誉棄損と主張したが、原告が求めた私のSNS投稿の削除なども含めて裁判所は棄却した。判決では二つの訴因にある「引きこもり」との記述や発言を名誉棄損としたが、一つは2015年にネット媒体へ掲載した記事の中の写真のキャプションである。その際、原告は何の抗議もしていない。だが、私が有名になり、影響力が増した途端に統一教会への解散命令請求を止めようとして訴訟を起こしたのだ。「引きこもり」という言葉も自分の意思で留まっていた人という客観的な状態を示す言葉として用いただけである。
二つめの訴因も、テレビ番組のコメンテーターとして出演した際に「ほぼ引きこもり状態の中、自分よりはるかに体格の劣る母親と二人きりの時も出ていこうとしなかった、外形的にはほぼ引・・・
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