インシップ広告表示差止請求訴訟優良誤認表示の立証責任について

司法書士 大賀宗夫

 景品表示法34条は「……適格消費者団体……は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為(筆者注:優良誤認表示及び有利誤認表示)を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとること請求することができる。(以下、省略)。」と規定している。

 そうすると、適格消費者団体による差止請求が認容されるためには、必ずしも優良誤認表示等を「現に行っている」ことまで立証することは必要ではなく、優良誤認表示等を「行うおそれがある」ことを立証すれば足りることになる。

 消費者ネットおかやまは、この点に着目して、標題の訴訟において、優良誤認表示であるとの認定がなされるか否かにかかわらず、その表示を裏付ける合理的な根拠を示す資料を事業者が備えていない場合には、優良誤認表示を行うおそれがあるから、差止請求は認容されるべきであるとの主張も行っていた。

 事業者がその表示を裏付ける合理的な根拠を示す資料を備えていない場合には優良誤認表示を行うお・・・

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