弁護士(大阪) 木村達也
前回は自民党の政治献金の問題について考えた。今回は米国民主政治と献金と情報操作について考える。
1 今、米国はトランプ氏の第2期大統領就任を祝っている(?)。そして、トランプ大統領の近くにはイーロン・マスク氏をはじめ、マスコミ批判の絶えない米国IT業界の大物達がずらりと並び、得意気な笑顔を見せている。彼らは今日の地位と権力をトランプ大統領への献金で買い取った人物である。国会議事堂の外ではトランプ大統領を支持する群衆と反対する群衆が冷たい雪の中で鋭く睨み合っていた。米国民の融和することのない分断を示す光景である。これから4年間、多くの犯罪歴を持つ不品行なトランプ大統領による独断と偏見、そして、哲学なき無法政治が待っている。
とは言え、トランプ大統領は少なくとも米国民による民主的選挙の洗礼は受けている。私は大統領として好ましい人物だとは思わないが、米国民が選挙で選んだ大統領だ。しかし、その横に並ぶイーロン・マスク氏をはじめ、米国のIT業界の大物、資本家達はトランプ氏の選挙資金の多くを出捐したが選挙の洗礼は受けていない。民主政治の原則に従えば、国民による選挙の洗礼を受けて・・・
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