食の安全・監視市民委員会共同代表 元内閣府消費者委員会食品表示部会委員 山浦康明
食の安全に関する政策をみていると、2009年に設置された消費者庁、消費者委員会は消費者重視とは言い難い。
1)2025年の審議をみても原料原産地表示をめぐっては、25年1月23日、内閣府消費者委員会食品表示部会(第75回)において「加工食品の原料原産地表示制度の見直しの審議が行われたが、加工食品の原料原産地表示では実際にスーパーマーケットなどで消費者が目にする「小麦粉(国内製造)」という例がほとんどであるにもかかわらず、制度の概念的類型化がなされ、現実的に事業者が利用することはほとんどない例を取り上げていた1。そして現制度の存続を結論づけたのである。
2)食品表示基準をめぐっては、25年1月30日、消費者委員会食品表示部会(第76回)で、食品表示基準の見直しが論議された。「栄養成分表示に関する改正案」では栄養強化目的で使用した添加物の表示を不要とした。表示ルールをめぐってはこれまで、「無添加表示」を規制し、「人工・合成の添加物」という用語を削除してきたが、この会議では「一括名」2表示を維持することとした。
消費者・・・
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