全国霊感商法対策弁連代表世話人の一人 弁護士(東京) 山口 広
第1 はじめに
2025年3月25日は私が所属する東京共同法律事務所の全弁護士と事務局が一堂に会して担当弁護士の事件報告をめぐる討議や現在の法曹についての諸問題を終日討議する年1回の重要な日だった。その日の午後3時前に、文化庁宗務課と旧統一教会の解散命令申立事件の審理を担当している者に来庁するよう東京地裁担当部から連絡があった。となると決定文が交付される。これはメディア情報が各方面から聞こえてきた。昨年7月11日の最高裁判決で東京地・高裁のとんでもない敗訴判決が見事な逆転勝訴となるまで、私は裁判官のセンスに信用できないという感覚を1978年4月に弁護士登録して以来持ち続けてきた。それだけに3月25日の決定が本当に下されるのか、その内容が今後の活動に生かされるものになるのか。前述した事務所会議の欠席を了承してもらった私は、全国弁連の声明の最終仕上げをしている木村事務局長と2人事務所に戻って「ホントに命令が出るんかいね」と不安を感じつつ待機した。
ところが、当日午後3時すぎにメディアの方々から聞いた命令の内容は率直なところほぼ期待し・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。