多様な高齢者の消費者トラブル

公益社団法人全国消費生活相談員協会 佐々木真知子

 最近の消費者トラブルにおける高齢者被害の問題点について考えてみたい。総務省統計によると固定電話の保有率を見るとやはり高齢者層が高いと思われ、還付詐欺や電話勧誘のターゲットになり易く、「電話勧誘販売」ではインターネット接続回線に関する相談、身分詐称による架空請求の相談が多い。

事例1

 「◯◯です。電話料金が未納です。至急支払ってください。このまま放置すれば2時間後には電話が使えなくなります」話を信じ「固定電話が使えなくなるのは困る」と伝えると「今直ぐコンビニへ行きプリペイドカードを買って支払ってください」よく分からないまま、急いでコンビニへ向かう。固定電話料金の支払いを延滞した覚えはなくとも請求されると何かの間違いではないかと思いつつ、もしかして支払いを忘れていたのかと不安になってしまう。

 多くの還付詐欺と同様、時間がないと急かせて不安を煽り冷静に判断させない手口が横行している。最近は、固定電話だけではなく、携帯電話にも同様の手口で電話が架かってくるので、高齢者被害だけでは終わらない。家族等からの冷静な一言、判断によって免れた事例は多々あり、詐欺・・・

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