動物殺処分とミルクボランティアの寄付
─兵庫県動物愛護センターの実態─

司法書士(兵庫) 岩本雅子

1 ミルクボランティアとは

 ミルクボランティアとは、離乳前の子犬や子猫を自宅で一時的に預かり、哺乳をしたり排せつの世話をしたり、健康管理をするボランティアのことである。かつて、離乳前の子犬や子猫の世話は手間がかかるためほとんどが殺処分されてきたが、今は多くの自治体が一般から広くミルクボランティアを募り、自治体主催で講習会を実施するなど、ミルクボランティアの育成に力を入れることで子犬・子猫の殺処分を減らしている。

2 兵庫県のミルクボランティア制度とミルクボランティアの寄付

 兵庫県にもミルクボランティア制度が存在し、兵庫県のHP上でも「子犬・子猫の飼い主探し等応援プロジェクト~子犬・子猫の小さな命を救うために~」と称してふるさと納税を利用した寄付を募っている。寄付金は、令和3年度は約227万円、令和4年度には約138万円にのぼり、多くの方が子犬や子猫を救うために寄付をされている。

 しかしながら、兵庫県動物愛護センター(以下、「兵庫県センター」)ではこのミルクボランティア制度や寄付を活用せず、未だに多くの子猫の殺処分を続け、殺処分をなくす気配がない。令和4年度のデータでは・・・

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