令和6年改正消費生活用製品安全法について

弁護士(東京) 伊藤 崇

1 法改正の背景

 近年、インターネット取引の拡大に伴い、国内外の事業者がオンラインモール等を通じて国内消費者に製品を直接販売する機会が増大している。そのなかで、製品の安全性に責任を有するべき国内事業者が存在しないためにPSマーク制度等の消費生活用製品安全法所定の諸規制の実効性が失われてしまうという課題、安全性が確認できない玩具等の子供用製品についての販売規制がほぼ存在しないために海外では販売禁止となっている製品でも国内流入できてしまうという課題が顕在化してきた。本改正はこのような課題に対応するものであり、施行日は一部の規定を除き公布日から1年6月以内とされている。

2 改正法の概略

 法改正の主な内容は、(1)インターネット取引の拡大への対応及び(2)玩具等の子供用製品の安全確保への対応である。

(1)インターネット取引の拡大への対応について

 改正法では、特定製品の輸入事業を行う海外事業者(特定輸入事業者)について国内管理人の選任を義務付け、その国内管理人に製品事故発生・被害拡大防止のための必要な措置をとらせることとした(新6条2号)。また、取引デジタルプラットフォーム提供・・・

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