弁護士(大阪) 松田真紀
1 インターネットバンキング利用が増えている
ネットバンキング(実店舗を持たず、インターネット上で取引を中心に行う銀行)の利用者が増えている。PayPay銀行、楽天銀行、イオン銀行、auじぶん銀行等がそれにあたる。実店舗型の銀行でも、口座開設時に、同時にネットバンクの利用を勧められる。ネットバンキングは、利用可能な時間が長く、どこにいても残高照会や振込みが可能でありとにかく非常に便利である。しかし、便利さ・手軽さの裏には危険が付きもの、インターネットバンキングもそれは同じである。
2 増え続ける不正送金被害
電子メール、携帯電話のショートメッセージ等を用いた、いわゆる「フィッシング詐欺」という手法によりインターネットバンキング利用者のIDやパスワード等を盗み、預金を不正に送金する事案が急増している。報道によると、昨年のインターネットバンキングの不正送金被害が前年度比5.7倍の約87億3千万円に上り、過去最悪を大幅に更新している(日本経済新聞:2024年3月14日)。不正送金の手法は、使用しているパソコンにウィルス感染させて、ネットバンキングのパスワードを盗み取る、メガ・・・
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