行政書士による相続業務

弁護士(島根) 田上尚志

 令和5年5月ころのことであるが、突然、予約なしに飛び込みで相談に訪れた初老の女性がいた。話を伺ったところ、夫が亡くなったので口座のある山口銀行の支店に口座解約などの相談に行ったところ、山口銀行の相続担当部署に相談するよう指示された。さらにそこから行政書士法人ORCAを紹介されたので、相続事務処理を行政書士法人ORCAの行政書士に委任した。ところが、夫が独立行政法人住宅金融支援機構に470万1203円の債務を負っており、その旨の通知文書が届いているのだか、どんなに担当行政書士に相談してもとりあってもらえず、他にも負債があったらどうなるのだろうと不安になり、当職の事務所に飛び込んだようである。

 話を聞いてみると、この相談者の方も、相続問題なら本来弁護士か司法書士に相談すべきであると思っていて、なぜ山口銀行が行政書士を紹介したのか不審に思ったようである。とはいえ、地元地銀の山口銀行の指示なら間違いはないだろうと考えて行政書士法人ORCA(本店所在地:鳥取県米子市上福原235−9)の行政書士に委任したとのことであった。しかし、担当行政書士が被相続人の債務を黙殺するので、流・・・

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