インターネット通信販売の消費者被害状況と特商法改正の必要性

弁護士(栃木) 島薗佐紀

1 インターネット通信販売の消費者被害の状況

 令和6年版消費者白書によれば、インターネット通信販売は、消費生活相談の販売購入形態別割合において、80歳以上を除いたすべての年代で最多を占めている。40歳代は38.5%、50歳代は41.0%、60歳代は37.3%、70歳代は23.4%である。50歳代、60歳代、70歳代においては、インターネット通信販売の相談割合は増加している。

2 SNS関連の消費者被害の状況

 同白書によれば、SNSが関係する消費生活相談の件数は、令和3年は5万909件、令和4年は6万1148件、令和5年は8万404件と増加している。特に50歳代、60歳代、70歳以上の相談件数は大きく増加している。

 また、警察庁の発表によれば、令和6年1月から4月のSNS型投資詐欺の認知件数は2508件(前年同期比2133件増)、被害額は約334.3億円であった。SNS型ロマンス詐欺の認知件数は832件(前年同期比448件増加)、被害額は約84.1億円(前年同期比40.5億円増加)であった。令和6年4月は、SNS型投資詐欺の認知件数は前年同期と比べて約8倍、被害額は約11・・・

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