訪問販売・電話勧誘販売の被害状況について

弁護士(千葉) 井原 真吾
弁護士(京都) 加藤進一郎

1 訪問販売の消費生活相談件数の変動

 消費生活年報及びPIO-NETのデータでは、平成28年の訪問販売の相談件数が8万593件であるのに対し、令和5年の相談件数は7万4858件(92.9%、−5735件)と減少している。但し、訪問販売の市場規模は平成28年と令和4年では86.5%に減少しているというデータがあり、総数の減少は市場規模の減少と連動しているともいえる。

 業種別では、新聞(63.2%、−3072件)、放送サービス(18.4%、−6447件)が大きく減少している。新聞については業界の取組みが功を奏している可能性が指摘でき、放送サービスについては委託による訪問営業の廃止方向やコロナによる影響があるものと思われる。他方、修理サービス(234.7%、+4867件)、屋根工事(320.1%、+5631件)などの高額被害や次々販売が生じやすい類型などが顕著に増加している。

2 電話勧誘販売の消費生活相談件数の変動

 消費生活年報及びPIO-NETのデータでは、平成28年の電話勧誘販売の相談件数が6万8855件であるのに対し、令和5年の相談件数は4・・・

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