統計不正は裁量権の範囲内であるはずがない
─物価偽装をただす─(第21回)

フリーライター 白井康彦

 我々が必死で取り組んでいる「いのちのとりで裁判」。2024年8月15日時点での我々側から見た勝敗は、通算では地裁が17勝11敗で高裁が1勝3敗です。今年に入ってからは、地裁は5連勝で高裁は2連敗。高裁の連敗は激痛でしたが、双方の主張の内容だけで判断すれば、現在の形勢は「有利」とか「優勢」ではなく「勝勢」です。行政側はギブアップするべきです。ただ、不透明な政治力学などによって「こんな馬鹿な」という最終決着になる可能性も残っていると思います。

 大阪や愛知などの原告団の闘いの舞台は最高裁に移っています。7月26日には、我々側の関係者が最高裁で要請行動をしました。17人が最高裁の一人の書記官に向かって、それぞれ5分とか3分とかのスピーチ。私も用意した原稿を読み上げ、「統計不正を明確にできた稀有の裁判だから、公正なジャッジをしてほしい」と強調しておきました。

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 経緯を振り返っておきましょう。我々側が主に求めているのは、2013年生活扶助基準改定行政処分の取消しです。平均約6.5%という大幅な切下げ改定だったので、全国29地裁で訴訟が提起される大規模な裁判闘争になり・・・

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