ファーストペンギン事件の判決報告

弁護士(埼玉) 明石順平

第1 事案の概要

 決済代行業者である株式会社ファーストペンギン(以下「FP」という)が運営するサイト「インフォトップ」にて、「仮想通貨を複数の取引所間で移動させて差益を得る「フラッシュマージンシステム」により、毎日3万円儲かる」という情報商材詐欺商品を購入した原告が、FPに対し、故意に情報商材詐欺を幇助したとして、購入代金と弁護士費用の損害賠償を求めた事案。1審越谷簡裁で敗訴し、さいたま地裁に控訴。

第2 さいたま地方裁判所令和5年7月12日判決(令和3年(レ)第93号)要旨(下線筆者)

 「以上のような事情を総合すると、被控訴人が行っていたという商材の審査は、形式的なものであって、誇大表現等の掲載を何ら阻止し得ない形骸化したものであったといわざるを得ないから、上記のような審査の実行をもって、被控訴人の故意過失を否定することはできず、むしろ、被控訴人は、その公表に係る売上高ランキングの上位者ないし「殿堂入り」と扱って又は自らの案内書面によって購入ないし登録を推奨していた詐欺的な商材の場合と同様に、本件商材についても、詐欺的な商品内容及び勧誘方法であることを十分認識しつつ・・・

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