公益社団法人全国消費生活相談員協会 消費者教育研究所 高比良直子
1 はじめに
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)によると、全国の消費生活相談窓口に寄せられる、契約当事者が小中高生のオンラインゲームに関する相談件数は、コロナ禍の影響により、2019年度の2608件から2020年度は3799件と1.5倍近くに、さらに、2022年度には4024件に増え、コロナ禍収束後も大きな減少は見られない。契約購入金額の平均は約33万円と高額であり、特に契約当事者が小学生の場合、ゲームに関する相談が全体の7割以上を占める(国民生活センター2024年3月13日報道発表)。本稿では、小学生によるオンラインゲーム課金の実態から、消費者教育の課題と方法について考えを述べる。
2 家庭におけるルール
全国の消費生活相談窓口への子どものゲーム課金の相談の大部分は保護者からである。相談員は、まずは保護者と子どもに、どの端末の、どのアカウントから、どのゲームで、どのような方法で課金をしたのか、さらに、ペアレンタルコントロールの利用の有無を確認し、利用履歴から子どもが利用した日時、金額などを整理する。そして、・・・
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