神戸学院大学法学部教授 上脇博之
自民党派閥の裏金事件
自民党の“裏金”事件が政界を揺るがしています。この事件の発端は「しんぶん赤旗日曜版」の地道な調査に基づくスクープ報道でしたが、当初は“裏金”事件とは断定できませんでした。
政治資金規正法は政治団体が政治資金パーティーを開催した場合、その収入総額と支出総額・明細を収支報告書に記載するよう義務づけているほかに、20万円を超えるパーティー券を購入した者(個人、法人、政治団体)の氏名やその金額など明細の記載も義務づけています。ところが、自民党の主要5派閥の各政治団体が18年~20年の政治資金パーティーにつき各政治団体が20万円超のパーティー券購入をしていたのにその明細を多数記載していなかったのです。悪質な規正法違反(収支報告書不記載・虚偽記入罪)でした。私のコメントを紹介した日曜版(2022年11月6日号)は「パー券収入脱法的隠蔽2500万円分不記載」とスクープ報道しました。
私はこの報道直後から昨23年正月にかけ、派閥の政治団体ごとに会長、会計責任者らを東京地検に刑事告発しました。その後10月にも「日曜版」記者から、明細不記載が他にもあったほか・・・
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