消費者被害防止ネットワーク東海検討委員 弁護士(愛知) 西口 誠
1 被害の概要
一畑山薬師寺では、納骨堂に遺骨を安置し、永代供養を行うサービスを行っています。
金額は、遺骨を安置してもらう場所等に応じて異なります(1万円~100万円超)。
生前に申し込むことも可能とされており、生前の申込みをした消費者から、キャンセルの申入れをしたところ、キャンセル自体には応じてもらえたが、既に支払った240万円全額を返金してもらえなかったという情報提供が当団体にありました。
2 問題点
当時、同寺が用いていた約款には「キャンセルの際、ご返金はできません」という条項があり、それに基づいて、同寺は、返金する必要はないと主張していました。
しかし、生前にキャンセルした場合、遺骨の安置も永代供養も始まっておらず、空いた場所について再募集すれば、同寺に何ら損害は生じないはずですから、既払金を一切返金しないのは、解除に伴う違約金等を定める条項は平均的な損害の額を超える部分について無効とする消費者契約法9条1項1号に抵触すると考えられます。
3 第一次訴訟
そこで、上記不返還条項の改定を求めて、平成29年3月22日から申入れを開始・・・
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