初期クレサラ対協の運動(2)

全国クレサラ・生活再建問題対策協議会代表幹事 弁護士(大阪) 木村達也

1 始まりは1977年5月「サラ金問題研究会」「サラ金被害者の会」結成から[前号の続き]

(サラ金被害者の会の役割)

 一方で、多重債務者救済のための相談窓口が必要であると考え、「サラ金被害者の会」の結成を相談者達に呼び掛け、苦労して結成した(1977年10月)。

 結成1年後、サラ金被害者の会の会長M氏が、被害者10人位から債務整理金約800万円を預り、横領する事件が発生し、これを産経新聞に暴かれた。私達は、M会長からの被害事実を明らかにして検察庁に告発した。また、役員が「女性会員に売春を勧誘した」という事実を暴かれたこともあった。

 残念ながら他の被害者の会でも会の預り金の費消横領事件がよく発生した。

 しかし、サラ金被害者の会の活動は、全国各地に着実に広がっていった。被害者の会の活動は弁護士会のサラ金相談とは違った生活再建の役割を担っている。各地に次々と「被害者の会」は結成され、最盛期には全国すべての都道府県に60会の結成をみた。被害者運動は何よりも被害事実の調査告発が原点である。

(被害事実の発見、発掘は当事者の会のみが有する財・・・

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