国民生活センターの主要課題(令和6年)

独立行政法人国民生活センター理事長 山田昭典

1 はじめに

 消費者法ニュースの読者諸氏におかれては、日ごろより独立行政法人国民生活センター(以下「当センター」という)の業務に対し、ご理解・ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。以下では、令和6年における当センターの主要課題について述べます。

2 令和6年の主要課題

 当センターは、現在、第5期中期計画に基づき、関係業務を着実に実施していますが、令和6年における主要な課題としては、①令和4年の法改正により当センターに加えられた業務の着実な実施、②若者向けを含む情報発信の強化・充実、③そのときどきの社会状況に応じた消費者トラブルへの対応が挙げられます。

(1)法改正により加えられた業務の着実な実施

 令和4年12月に「消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律」が成立し、令和5年1月5日に施行されました。この法改正において当センターの業務に関して、(ⅰ)適格消費者団体への支援業務の追加、(ⅱ)事業者名公表の明文化、(ⅲ)ADRの計画的な実施などが規定されています。

 これを受けて、当センターでは、(ⅰ)に関しては、適格消費者団体が消費者契約・・・

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