都市型納骨堂「御霊堂元町」閉鎖への対応報告
(2022年9月〜12月)

札幌弁護士会消費者保護委員会委員長 弁護士(札幌) 高木淳平

1 概要(なお、年の標記が特にない場合は2022年を指す)

 「御霊堂元町」は、札幌市中心部から10分とほど近い、地下鉄東豊線「元町」駅から徒歩6分。利便性を売りにした都市型、屋内型納骨堂である。宗教法人白鳳寺が、2012年に自己所有の4階建ビルに開設、700を超える家族から、同ビルの2階、3階に約1000体の遺骨を預かっていた。

 しかし、白鳳寺は、杜撰な経営に端を発すると思われる債務に関する訴訟に敗訴し、同ビルの敷地・建物が、競売にかけられた。そして、2022年9月、不動産会社であるA社が土地建物を競落し、A社は札幌地裁に土地建物の引渡命令を求める申立てを行った。

 白鳳寺代表者は、当初は契約者に、A社と交渉し納骨堂の存続を図る等と説明していたが、10月中旬に失踪、現在まで消息不明である。

 札幌地裁の建物引渡命令の引渡し期限は、1回の延期を経て、11月21日とされた。

2 契約者の混乱

 契約者には、遺骨を10月中旬まで回収した方、預け続ける方双方がいたが、代表者の失踪以降、施設は施錠され管理者もおらず、回収は不可能となった。執行により、残し・・・

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