宗教被害について考える
─櫻井義秀先生の新刊本から、「宗教被害」の予防を考える─

弁護士(東京) 飯田正剛

はじめに

 櫻井義秀先生の新刊本『明解統一教会問題-宗教に無関心の人も宗教者でも知らなかった事実』(株式会社興山舎、2024年2月10日)を通読しました。

 既に、櫻井義秀先生は、『統一教会-性・カネ・恨(ハン)から実像に迫る』(中公新書、2023年3月25日、全328頁)という優れた著作を上梓されていますが、「この中公新書であっても多くの読者には手強く、一気に読み通せるようなものではないとの話も聞」いたことなどから(「はしがき」)、「簡潔に、平明に統一教会問題を解説するという」目的から書かれたものです(「おわりに」)。

 実際に通読してみると、前記中公新書より、平明に、しかも、簡潔に(全265頁)、さらに、前記中公新書以降の最新の情報などを盛り込んだ充実した内容になっていて、これもまた、前記中公新書と同様に、統一教会問題を考える上で、必読の著作になっていると思います。

 ここでは、「宗教被害」(の予防)という観点から、櫻井義秀先生の前記新刊本に触発された内容について、議論・検討してみたいと思います。

「宗教リテラシー」

 櫻井義秀先生の新刊本の特徴の一つは、「宗教リテラシー」という・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。