フッ素利用のあやまち
─フッ素洗口からPFASまで(3)─

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐

PFASとは?

 多くのフッ素化合物が環境汚染物質ですが、いま、大きな問題になっているのが、PFASによる環境や人体汚染です。PFASはフッ素樹脂同様に1940年代から用いられてきたフッ素化合物で、幅広い用途から、各地で河川、海域、地下水、下水を汚染し続け、いまでも環境を破壊し、人体を汚染しているのです。

 PFASは、使用量が多いPFOS、PFOAといったパーフルオロアルキル化合物と、ポリフルオロアルキル化合物の総称です。OECDの報告書では、全部で4730種類あることになっています。最も多く使われてきたのが、PFOS、PFOAという主に界面活性剤として用いられてきた化学物質です。

 このような化合物を「有機フッ素化合物」といいます。有機化合物とは「生物が作り出す物質」あるいは「生物を構成する物質」という意味です。それに対して無機化合物は生物がかかわらない、例えば石や鉱物などを指します。その大きな違いは炭素を持つか持たないかです。プラスチックなどは、生物の死骸である石油から作り出すものですから、有機化合物になります。前回お伝えしたフッ素洗口で用いる化合物・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。