食の安全・市民ホットライン事務局長 西原崇文
序論
一般社会において、一個人によるネット経由のSNS発信は、もはや文化として根付きつつある。一方、昨今の食の安全問題に関する一部報道1などを見ると、いきなりの匿名SNS告発に苦言を呈するネット上の声も少なからず存在する。
そこで、本稿では、「食の安全・市民ホットライン(以下ホットラインとする)」による情報発信活動との違いを検証することで、「消費者団体による情報提供」と「個人によるSNS告発の危険性」の違いを論じる。
ホットラインによる情報提供システムとは
ホットラインでは、一般消費者等から寄せられた不具合事案を以下のプロセスを踏まえた情報提供をしている。
(1)不具合情報を受信後、ホットライン事務局が、ネットなどを用いて事実確認等の裏付け調査を行う。
(2)当該事案に関して、インカメラで、専門的知識を有したホットライン運営委員にも意見を聞く。
(3)当該事案に関し、事実関係を整理し、専門的知見を有したメンバーの助けを借りてホットライン運営委員会内で議論をする。
(4)ホットライン代表、ホットライン運営委員会の承認された情報のみが、ホットライン公式サイト等に・・・
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