東京電力福島第一原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出は中止を

参議院議員(日本共産党) 岩渕 友

1 はじめに

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から12年9ヶ月が経ちました。事故によって避難した方々は最大で16万人を超えるとされ、福島県の発表でも今も2万6000人を超える方々が県内外への避難を強いられています。「ふるさとに戻ることができない」方々は8万人にものぼると言われています。今も避難指示を解除できない「帰還困難区域」が残り、40年もかかるという廃炉作業も計画どおりに進まず、原発事故は終わっていません。

2 漁業者との約束を破った政府と東京電力

 福島第一原発の爆発事故から約1ヶ月後、政府・東京電力は放射性物質を除去しないまま大量の汚染水を海に放出し、2015年にも海に流しました。そのたびに、漁業者のみなさんは身を切られるような思いで耐えてきました。ところが今年(23年)8月24日、政府と東京電力は、「関係者の理解なしにはいかなる処分もしない」という、漁業者・国民との約束を破ってALPS処理水の海洋放出を強行しました。

 9月8日、この問題での閉会中審査が行われ、私も質問にたちました。約束を破ったことについて、西村経済産業大臣は、「福島県漁連から『約・・・

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