東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水海洋放出に関する消費者の理解向上について

衆議院議員(自由民主党) 船田 元

 令和3年4月、政府はALPS処理水を海洋放出する方針を決定し、約2年4か月の準備を経て、本年8月には、ALPS処理水の処分が完了するまで安全確保、風評対策・生業継続に全責任を持って取り組むことを確認したうえで海洋放出を開始することとしました。

 ALPS処理水は、東京電力福島第一原子力発電所(東電福島第一原発)で発生する汚染水を、多核種除去設備、いわゆる「ALPS」などによってトリチウム以外の放射性物質を環境放出する際の規制基準を下回るまで浄化処理した水です。トリチウムという放射性物質は、水素の一種であることから、現在の技術では除去することが非常に難しく、ALPS処理水の中に残ることになりますが、海洋放出に当たっては、世界保健機関(WHO)の飲料水の基準値である10,000Bq/Lの約7分の1である1,500Bq/L未満まで希釈したうえ、放出されます。トリチウムは、雨水や海水を通じて自然界に広く存在しますが、摂取しても水と一緒に排出され体内に蓄積しません。食物連鎖により水産物を含む特定の生物に濃縮されることもありません。

 また、日本の食品には、世界標準と比較・・・

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