動物と人のための法改正提言

元衆議院議員 堀越啓仁

 ここ数年間、社会様式は大きく変わりつつあり、本質的に取り組まないといけない課題も多くあることがわかってきているが、その一つの課題は間違いなく「ワンヘルス」であると考える。しかし残念ながらその本質部分は未だ議論、取組み共に不十分であり、やがて国民の健康面や、経済、環境、食料安全保障、など国益を損なう可能性が極めて高い大きな課題だ。

 卵の価格が高騰している理由は、鳥インフルエンザの蔓延と海外有事による餌代の高騰によるものだ。しかし、多くの消費者はそのことは知っていても、今後来る危機認識には繋がっていないのが現状である。それは消費者、生活者が悪いのではなく、政治の課題として取り組もうという人が圧倒的に少ないからだ。

 コロナウイルスで示されたように、人獣共通感染症の問題や、抗生物質が効かない薬剤耐性菌問題、食料の安定供給の観点からもワンヘルス、アニマルウェルフェアの推進は必須だ。

 衆議院議員時代、「アニマルウェルフェアを考える超党派議連」を立ち上げ、事務局長として働いた。多くの有志が参加してくれ、本当に心強い想いと希望を抱いたが、まだまだ畜産動物たちへの理解は乏しいままだ。

 一定・・・

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