前払式割賦販売等に関する割賦販売法の規制

神奈川大学名誉教授 石川正美

1 割賦販売法の規制対象取引

 割賦販売法(以下「法」という)の規制対象取引は、前払式取引と後払式取引(販売信用)とに大別することができる。

 前者には前払式割賦販売と前払式特定取引がある(経済産業省商務・サービスグループ商取引監督課『割賦販売法(前払式取引)の概要』(以下「概要」と略称する))

 最近では、これら前払式取引に関心をもつ人は少ないようであるが、クレジット問題を考えるうえで、前払式に関する規制のあり方を知ることには意味があると思われる。

2 前払式割賦販売に関する規制

 前払式割賦販売とは、法2条1項1号の規定する割賦販売のうち、指定商品を引き渡すに先立って購入者から2回以上にわたりその代金の全部又は一部を受領するものである。

 昭和36年の法制定当初から適用対象取引とされており、登録制が採用されるとともに、営業保証金の供託制度等が規定された。

 昭和43年改正において、登録制が許可制に改められ、営業保証金のほかに、前受金額の3分の1に相当する額の保全措置等が設けられ、昭和47年改正において、前払金の供託比率が2分の1に引き上げられるなどした。

 その結果、現在、前払式割賦・・・

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