14.6%の遅延損害金問題・特に保証人に関して
─返済不能の遅延損害金─

弁護士(神奈川) 茆原洋子

1 銀行または信用金庫が信用保証協会の保証付きで貸付けを行う場合に、中小企業庁は平成18年3月31日付で、平成18年度以後は、経営者以外の第三者個人保証人の取得を原則として禁止しました。そして、その後はこの通達が守られてきました。

2 問題は、平成18年3月までに、信用保証協会が第三者保証人を取得している場合、現在において重大な保証人被害を起こしている案件が少なくない事実です。なかでも、できる範囲での分割弁済を、例えば1万円ずつとか5000円ずつ長年行ってきた保証人には、多大な、元本の数倍の数千万円に及ぶ遅延損害金が請求されているという現実があります。これは大問題です。資産がない保証人は存命中は少額支払いを続け、相続人が相続放棄をすれば済みます。他方で、自宅程度の資産がある場合、相続放棄は、相続人が自宅を失うことを意味します。

3 多くの例では、信用保証協会の側から、数か月分乃至1年分の振込用紙を送り、送られた振込用紙によって返済を続けて、約束を守っている保証人に対して、支払いを継続している期間中も、支払額とは桁違いの遅延損害金が加算され続けるという、理不尽がまかり通っ・・・

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