シリーズ「特定商取引法改正のQ&A」第1回
訪問販売

弁護士(大阪) 国府泰道

 「特商法の抜本的改正を求める全国連絡会」が制作された特定商取引法改正Q&Aをベースに、4回連載で紹介していきます。

1 訪問販売

Q1 現行法では、要請のない訪問販売をどのように規制していますか?

A 特定商取引法では、訪問販売による契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、契約締結についての勧誘をしてはならないとしています(同法3条の2第2項)。

 「訪問販売お断りステッカー」の貼付が、訪問販売による契約を締結しない旨の意思表示に当たるかにつき、消費者庁はこれを当たらないとしています。他方、地方自治体の条例では後記のとおり「訪問販売お断りステッカー」に拒絶の意思表示としての効力を認めるものが多数存在します。

Q2 「訪問販売お断りステッカー」に法的効力を認めることは事業者の営業への過剰な規制になるのではないですか?

A 上記のとおり、訪問販売による契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、契約締結についての勧誘をしてはならないという規制はすでにあります(特定商取引法3条の2第2項)。したがって、ステッカーに訪問販売による契約を締結しない旨の意思表示の効力を認める・・・

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