韓国におけるマルチ商法規制

司法書士(大阪) 内山真照

1 はじめに

 韓国におけるマルチ商法は、韓国「訪問販売等に関する法律」(訪問販売法。以下「法」という)において、「多段階販売」という形で規制されている。当初は日本の旧訪問販売法(現特定商取引法)を参考にした規律であったが、その後独自に進化している。以下、同法による韓国におけるマルチ商法規制の概要(登録制、行政規制、民事ルール等)を紹介する1

2 規制の概要

(1)定義

 多段階販売は、多段階販売組織(①多段階販売組織に属する多段階販売員(多段階組織に販売員として参加する者〔法2条1項6号〕。以下「販売員」という)が、下位の販売員の加入を勧誘する募集方式があり、②販売員の加入が3段階以上の階層型になっており(3段階未満でも実質的に3段階以上とみなすことができる場合を含む)、③多段階販売業者(多段階販売組織を開設、管理、運営する者(法2条1項6号)。以下「販売業者」という)が販売員に対して後援手当(日本の特定商取引法における特定利益に相当)を支給する方式を有するもの)を通じて商品又は役務を販売すること、であると規定されている(法2条5号)2

(2)登録等(法13条)

 販売業・・・

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