尚絅学院大学総合人間科学系社会部門教授 栗原由紀子
いわゆる「詐欺的な定期購入商法」については、被害状況が目立つようになった2016年頃から、独立行政法人国民生活センターや各z自治体の消費生活センター及び消費者庁において盛んに注意喚起が行われている。令和5年版消費者白書によれば、PIO-NET登録の相談件数のうち「定期購入」に関する相談件数が2021年の5万1453件から2022年の7万5478件へと激増した。これを世代別にみると、若年世代よりむしろ現役世代や高齢世代において相談件数が増加している。とりわけ2022年の「定期購入」に関する相談に占める65歳以上の割合は33.3%に上昇しており、最近の定期購入トラブルの急増は、高齢者の定期購入トラブルの増加が影響していることが解る。
また、令和5年版消費者白書によれば、高齢者の定期購入トラブルは65歳から75歳まではインターネット通販の割合が多いようであるが、年齢区分が上がるほどインターネット通販の割合が減少し、85歳以上では、主にテレビショッピングにおいて定期購入トラブルが発生しているようである。ネットに不慣れな高齢者はもっぱら電話を利用し・・・
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