最近の相談事例から

(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 消費生活相談員 伊勢宏子

1 はじめに

 センターで受けることが多い、特定継続的役務提供における中途解約精算の問題点と、詐欺的副業の新しい勧誘手口について、事例をもとに考えたい。

2 学習塾・エステの中途解約

事例1 中3の息子の高校受験に備え、中2の1月に大手塾の「高校受験1年コース」に入会した。受講料は全額20万円を支払済みである。当該塾はほとんどがオンライン授業で自宅学習であることから、息子が他の塾に興味を持ち、中3の4月に中途解約を申し出たところ「すべての講座がWeb配信済みであり返金はできない」と言われた。規約を確認すると「お客様が受講したか否かを問わず、Web配信済み講座は受講済みとします」との記載があった。息子は3割しか受講しておらず不満。

 コロナ禍、学習塾はオンライン授業が主流となった。現在もその傾向は変わらない。その中で「Web配信後は受講済みとみなす」との条項を見ることがある。この条項があると、仮に事業者がコース開始と同時に全講座を配信した場合、消費者がいつ中途解約しても返金はゼロとなり、特役の中途解約精算規定が有名無・・・

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