フッ素利用のあやまち
─フッ素洗口からPFSAまで(1)─

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐

フッ素化合物とは?

 PFASという、これまでほとんど耳にしたことがなかったフッ素化合物による人体汚染がクローズアップされています。フッ素による環境汚染や人体汚染は、繰り返し起きてきました。言ってみれば、フッ素化合物の歴史は、環境汚染・人体汚染の歴史といってよいでしょう。その歴史の最前線にいまPFASによる環境汚染・人体汚染があります。このPFASでは、地下水、水道水の汚染が明らかになりましたが、その他にも魚介類の汚染など、食に関わる問題も発生しています。このフッ素とフッ素化合物について見ていきます。

 まずはフッ素利用の歴史と、その基本的な特徴から見ていきます。いったいフッ素とはどのような物質なのでしょうか。フッ素は化合して安定すると、分解し難くなるところに大きな特徴があります。時にはほとんど分解しないこともあります。それが汚染物質であれば、半永久的に続く汚染物質であることを意味します。フッ素そのものは、他の物質と結合して安定するまで、化学的に活性で不安定な物質です。フッ素のみで存在できない物質なのですが、いったん結合したフッ素化合物は、逆に安定して・・・

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