弁護士(大阪) 増田 尚
2000年ころから、賃貸住宅契約に際し、連帯保証人を確保することができない賃借人から保証委託料の支払いを受けて連帯保証人になる家賃債務保証業者が目立つようになった。当初は、このような「信用補完機能」をうたって登場したが、実際には、家賃未収リスクの回避という賃貸事業者のための機能が重視され、現在では、約8割の賃貸住宅契約に家賃債務保証業者による機関保証が付されるようになった。
家賃債務保証業者の収入源は、もっぱら保証委託契約締結(更新)時に賃借人から徴する保証委託料であり、他方で、保証債務を履行して代位弁済をすれば経費がかさむことになる。したがって、信用の有無にかかわらず広く保証委託を受けることで収入を増やしつつ、家賃滞納を繰り返す賃借人に対しては、早期に契約終了を迫って、代位弁済額(経費)を抑えようとするビジネスモデルにならざるを得ない。このような構造的要因から、2008年ころから、家賃債務保証業者が、家賃を滞納した賃借人に対して、威迫的な取立てをして、時には、鍵を交換して出入りをできなくする「追出し屋」被害が社会問題となった。
これに対し、全国追出し屋対策会議等が・・・
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