司法書士(大阪) 浅田奈津子
1 はじめに
日本司法書士連合会(消費者問題対策委員会)主催のシンポジウム(2018年3月開催)の資料中、アメリカ連邦取引委員会(Federal Trade Committee、以下、「FTC」という)がマルチ事業者に対して提起した訴訟をいくつか紹介してFTCのマルチ取引に対する対応を検討した。また、「マルチ取引の在り方に関する提言(令和4年版)」の中ではアメリカの一部の州で開業規制(登録制)を採用していることを報告した。
今後もアメリカにおけるマルチ取引の調査を継続し、情報をアップデートしたいと考えているが、本稿では、マルチ取引に関して「登録制(開業規制)の導入」の意見が多数1ある中で、FTCのマルチ取引に対する考え方を紹介し、紙幅の都合上、開業規制等を規定しているジョージア州の州法(Article15「欺瞞的または不公正な取引方法」の一部)を紹介する。
2 FTC
FTCは、詐欺的なマルチ取引を行う事業者に対して訴訟提起し、それらの判決2や実務例などを踏まえてマルチ取引に関する考えを整理し、ビジネスガイダンスとして公表した(2018年1月4日)3。
マルチ取引のスキー・・・
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