豊トラスティ証券事件東京高裁判決

弁護士(東京) 太田賢志

第1 事案の概要

 個人顧客と同人を代表取締役とする法人顧客が、豊トラスティ証券(旧商号:豊商事)従業員の勧誘を受けて、約5年半(中断期間10か月を含む)にわたり、取引所外国為替証拠金取引(くりっく365、FX)や商品先物取引を繰り返し、すべての取引について損失が発生したという事案(個人:外国為替証拠金取引、法人:外国為替証拠金取引及び商品先物取引)。

 顧客らは、豊トラスティ証券の従業員が、顧客らに対し、一体的な不法行為を行って各取引を行わせたと主張し、豊トラスティ証券に対して各取引によって発生した損害の賠償を求めた。

第2 原判決の内容

 東京地判令和3年3月23日は、本件外国為替証拠金取引及び商品先物取引について、不十分な説明の下で取引が開始され、取引の仕組みやリスク等に関する正確な理解を欠いたまま、従業員らの勧誘に従った取引が反復継続して行われていたとして、いずれの取引に関しても説明義務違反があったと判示し、豊トラスティ証券の責任を認めた(外国為替証拠金取引につき6割、商品先物取引につき3割の過失相殺、双方控訴)。

第3 本判決について

1 結論

 東京高判令和4年9月15日・・・

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