アフィリエイト広告に対する景表法の対応と特商法の課題 ~特定商取引法改正後の定期購入被害の急増を踏まえて~

弁護士 池本誠司

1.アフィリエイト広告とは

 アフィリエイト広告とは、広告主がASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)を通じてアフィリエイターに広告の掲出を委託し、販売高・クリック数等による成功報酬を支払う仕組みのインターネット広告である。

 広告主(通信販売業者)は、ASPにアフィリエイト広告の募集・運営・成果報酬の管理等を委託し、成果報酬を支払う仕組みであるため、広告費の初期投資を最小限で展開できる。

 ASPは、アフィリエイターの募集・広告契約締結、アフィリエイト広告の指導、成果の把握と報酬の支払い等を管理する。ASPは100社程度あると言われているが、業界団体(日本アフィリエイト・サービス協会、日本アフィリエイト協議会)に加入しているのは2割ほどにとどまると考えられる。

 アフィリエイターは、委託を受けてWebサイトやブログやSNS等に広告を掲載し、アフィリエイト広告を通じてリンク先の販売業者のサイトに遷移して、制約に至ると成功報酬を受領する。個人が8~9割、法人が1~2割だが、取引高は法人が8~9割を占めるといわれている。大手ASPは数十万人のアフィリエイターを登録しており、最大手は29・・・

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