被爆二世の闘いは「核廃絶」を目指す

弁護士(大阪) 在間秀和

被爆者援護の政策

 戦後国は、一般の戦争被害と異なり、原爆被害については「これまで経験したことのない特殊な戦争被害」として、生存した原爆被害者に対し援護策を講じてきた。1957年の原爆医療法・1968年の原爆特別措置法、そしてそれらを統合した1995年の被爆者援護法である。援護法は、「被爆者」の定義として、その1条で1~4号の4類型を定めている。原爆投下時に一定の範囲内にいた者(1号)、一定の期間内にその区域に入った者(2号)、そして「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」(3号)、そして当時その人たちの胎児であった者(4号)である。これらに該当する人たちに対し「被爆者健康手帳」が交付され、被爆者として医療給付や手当の支給等の援護がなされる。

何が問題となっているか?

 法における上記の「被爆者」の定めと被爆二世との関係が争われているのが被爆二世訴訟である。

 前提となる重要な問題が、ヒトに対する原爆放射線による健康被害が、次の世代に引き継がれるのか、つまり、放射線被害に遺伝的影響があるといえるか? という点で・・・

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