第11章 宗教

弁護士(大阪) 加納雄二

1 判決の簡単な紹介

 今年紹介している裁判例は以下の3件です。

〔1〕岸和田簡易裁判所令和4年3月23日判決

 元々は祈祷契約についてクーリング・オフをし、支払い金の返還請求をしたところ、一部しか返金がなく、残金について示談契約を締結をしたが、その支払いがなかった為に提訴したものである。全額認容(欠席判決)。クーリング・オフを相手が認めたことそのものについては、先例的な意味がある。

 なお、133号(p.166)には、占いサイトについての判決(岡山簡易裁判所令和4年5月31日判決)がある。この件は、実在しない鑑定師をあたかも実在すると欺罔して錯誤に陥らせ、ポイントを購入、費消させたことについて不法行為が成立したとされる裁判例である。

〔2〕〔3〕

 京都市にあった、宗教法人大日山法華教寺の解散命令についての地裁決定、高裁決定。

 これは15年前のものであるが、最近、統一教会に対する解散命令が問題となっているため、先例として参考までにということで掲載したものである。

2 最近の判例の紹介

 ビル納骨堂について、大阪市の経営許可処分に対する取消訴訟についての住民の原告適格に関する最高裁の判決(・・・

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